「婚活実態調査2021」(リクルートブライダル総研調べ)によると、2020年に結婚した人の実に16.5%が婚活サービスを通じて結婚したそうです。この割合は年々増加しており、2010年と比較すると4倍以上に増えています。
同調査によると、この2年間で婚活(恋活)サービスに対する「結婚に対して焦っているイメージがある」といったネガティブな印象が薄れ、「結婚に至るまでの効率が良さそう」「概ね恋人を見つけることができると思う」といったポジティブな印象が強まっているとのことです。
こうしたことを背景に、婚活ビジネスを始めてみようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、婚活ビジネスの現状と将来性についてご紹介します。
婚活ビジネスとは?

まず、婚活ビジネスにはどのようなものがあるか、みていきましょう。
結婚相談所
登録者(会員)同士のマッチングや、お見合いのセッティング、成婚に至るまでのアドバイスなどを結婚相談所の職員が行ってくれるサービスです。
結婚相談所に入会するための入会金、月会費のほか、お見合いのセッティングや成婚時に料金が発生する方式を採用しているところが多いです。
ネット系婚活サービス
婚活サイトや婚活アプリと呼ばれるサービスで、登録するとサービス利用者を様々な条件で検索することができます。条件に合う利用者が見つかったら、直接会う約束をするなどして交際に発展させていきます。
3,000円~4,000円程度の月額利用料がかかるサービスが多いですが、女性は無料で利用できるサービスもあります。
婚活パーティー・イベント
結婚を前提とした出会いを求めるパーティーやイベントを企画・運営しているサービスです。参加資格(年代限定、職種限定、地域限定など)や参加料金はパーティー・イベントにより様々です。
婚活ビジネスの現状・市場規模は?

婚活ビジネスの現状は、少子化による結婚適齢人口の減少にもかかわらず、利用者が順調に増加しています。「婚活実態調査2021」によると、恋愛もしくは結婚意向がある恋人のいない独身者において、27.2%が婚活サービスの利用経験があり、その割合は4年連続で増加しています(2017年15.6%→2021年27.2%)。特に女性においては、独身者の30.2%に婚活サービスの利用経験があると回答しています。
婚活サービス全体についての市場規模については統計がありませんが、公表されているデータから推計してみましょう。
まず、結婚相談所ですが、会員1人当たりの年間費用は30万円~40万円、2018年に東京都が実施した「都民の結婚等に関する実態及び意識についてのインターネット調査」によると、「現在、結婚相談所を利用している」と回答したのは約1.2%、20代~40代の未婚者人口は約1900万人なので、市場規模は600億円~700億円程度と予測されます。
次に、ネット系婚活サービスですが、会員1人当たりの年間費用は3~4万円、「都民の結婚等に関する実態及び意識についてのインターネット調査」によると、「現在、インターネットの婚活サービスを利用している」と回答したのは約6.8%、20代~40代の未婚者人口は約1900万人なので、市場規模は400億円~500億円程度と予測されます。2018年当時よりも現在は利用者が増えていると考えられることから、現在の市場規模は600億円~700億円程度でしょう。
最後に婚活パーティー・イベントですが、1人当たりの年間費用は1~2万円、「都民の結婚等に関する実態及び意識についてのインターネット調査」によると、「現在、民間の婚活イベント・パーティに参加している」と回答したのは約4.3%、20代~40代の未婚者人口は約1900万人なので、市場規模は100億円程度と予測されます。
以上を合計すると、婚活ビジネス全体の市場規模は1300億円~1500億円と見込まれます。
婚活ビジネスの将来性、実際のところ儲かるの?

では、婚活ビジネスの将来性はどうなのでしょうか?プラスの要素とマイナスの要素について、それぞれ考えてみましょう。
婚活ビジネスの将来にとってプラスの要素
婚活サービスにポジティブなイメージを持つ人の増加
冒頭でも触れましたが、婚活サービスに対するネガティブな印象は年々薄れてきており、効果的な出会いの手法として認識されるようになってきました。このことから、婚活サービスを利用しようと考える人は今後も増えると見込まれます。
コロナ禍による出会いの場の減少
コロナ禍の影響でテレワークや外出自粛が広がり、職場での出会いや友人からの紹介、合コンといった、出会いの場が減少しています。この影響は今後数年は続くとみられ、婚活サービスを利用して出会いの機会を増やそうと考える人は増えるでしょう。
都道府県・市区町村による結婚支援の取り組みの広がり
少子化に対する危機感から、都道府県・市区町村による結婚支援の取り組みが広がっています。多くは婚活のためのセミナーやイベントの実施、相談窓口の設置といったところですが、北海道沼田町の「ライフパートナー探し応援事業」のように、民間の結婚相談所の利用料金の一部を助成するものもあります。
婚活ビジネスの将来にとってマイナスの要素
出口の見えない少子高齢化問題
国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によれば、「2065年には日本の人口が9,000万人を割り込み、65歳以上の高齢者が約4割になる」とされていましたが、近年の出生数の減少ペースは加速しており、予想より早いスピードで人口減少と少子高齢化が進む可能性が高まっています。日本は婚外子が少なく、出生数の増加には先に婚姻数を増やす必要があります。
婚活ビジネスの市場規模
総務省統計局「令和2年国勢調査」によれば、20~39歳の独身者は1,387万人となっています。そのうち8割以上が「いずれ結婚するつもり」だとすると、結婚意欲のある独身者は約1,110万人もいることになります。
この人数に、総務省統計局 「家計調査」のうち”婚活類似支出年額”として算出(※)した95,000円を掛ければ、潜在的な市場規模が1兆円を超えるマーケットであることがわかります。(※IBJが独自に算出)
結婚相談所は他の婚活ビジネスと違い、成婚実績を数字で示せることを強みとしています。社会的な評価や信頼が得やすいビジネスモデルであり、需要も増え続けています。事実、結婚相談所の連盟組織・団体で会員数No.1のIBJの業績も伸び続けています。20~40代の人口減少はマイナス要因ですが、婚活サービスの利用率の上昇と、従来婚活サービスのターゲットとされてこなかった50歳以上のシニア世代向けの市場が今後伸びると考えられることから、当面の見通しは明るいと考えてよいでしょう。
婚姻数減少の原因と対策
「マッチングアプリ」「婚活パーティー」「街コン」と出会いの機会は増えているにも関わらず、日本の婚姻数は減少傾向にあります。その理由を知るために、今の20代~30代の考え方を見ていきましょう。
・18歳~34歳の8割以上は「いずれ結婚するつもり」
・25~34歳の「独身でいる理由」で最も多いのは「適当な相手にまだめぐり会わないから」
・20~39歳の「恋人が欲しいと思わない理由」で最も多いのは「恋愛が面倒」
・20~39歳の「独身でいる理由」で最も増えているのは「異性とうまくつき合えない」(過去8年間で6.1%→12.6%と倍増)
・20~39歳の「交際する上での不安」で最も多いのは「そもそも出会いの場所がない」
※出典:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」、内閣府「平成26年度 結婚・家族形成に関する意識調査」
日本では“自然な出会い”信仰がまだ根強くあることや、手軽さ故に効果が出にくい探し方を選んでしまうケースも多々あることから、「良い出会いがない」と答える人の割合が高くなっています。
「恋愛が面倒」と答える背景には、
・探してはいるが、なかなか好きな人が見つからない。
・好きな人が見つかっても、うまく想いを伝えたり、付き合ったりする方法がわからない。
・恋人に時間やお金をかけても、相手に結婚する気がなく、結局は別れてしまうのが辛い。
といった恋愛や婚活を繰り返してしまう問題があります。
9割近くが「いずれ結婚するつもり」であるのに、その多くが「適当な相手にめぐり会わない」「恋愛が面倒」で消極的になっているなら、出会いの機会を増やしても解決しないのは当然です。
この問題を解決するには、成功確率の高い方法を自然と選択できるように社会全体で導いたり、恋愛から結婚に結びつける方法を知っている「経験豊富な人」のサポートで恋愛にかかる労力を減らす必要があります。
つまり結婚意欲の高い方が集まる場所で、出会いから結婚までを一気通貫でサポートしてくれる結婚相談所の婚活カウンセラーの仕事こそ、この深刻な問題を解決に導く有効な手段なのです。
婚活ビジネス成功のポイントは?

婚活ビジネスの現状と将来性がわかったところで、成功のポイントをご紹介します。
ネット系婚活サービスは会員の獲得がポイント
ネット系婚活サービスは、今後も市場規模の拡大が見込める半面、大企業を含めた新規参入が増えた結果、資金力がある限られた事業者間での会員争奪戦の様相を呈しつつあります。会員数が少ないと検索しても条件に合う人が表示されず、そのことを理由として退会が増えるという悪循環につながり、撤退する事業者も出てきている状況です。
従来の会員データベース型のサービスで新規参入を目指すのはお勧めできませんが、マッチング精度の向上につながるような新たなサービスとの組み合わせに勝機があるかもしれません。
結婚相談所・婚活パーティーはオンライン対応がポイント
コロナ禍の影響で、結婚相談所や婚活パーティーもオンライン形式のものが利用されるようになっています。「婚活実態調査2021」によると、結婚相談所での担当者との打ち合わせなどをオンラインで行った経験がある人が30.3%、婚活パーティー・イベントのオンラインイベント利用率が20.1%と、確実に増加しています。
相手と直接対面しないオンライン婚活を前向きにとらえる人も増えており、利用者のニーズに合わせた柔軟な対応が求められるでしょう。
ターゲットを絞る
全ての婚活ビジネスに共通するポイントとして、ターゲットを絞ることが挙げられます。全国向けの大規模なサービスは競争も激しく、資金力も必要なため、新規参入することは難しいですが、会員の地域や業種を絞れば、少ない資金でも効果的なマーケティングを行うことができます。
連携する
婚活ビジネスにおいて、会員を多く集めることは成功のための必須ポイントといえますが、起業直後から多くの会員を集めることは困難です。結婚相談所であれば、結婚相談所の団体(連盟)に加盟し、互いに会員情報を融通することで、自社の会員数の少なさをカバーすることができます。
結婚相談所の連盟組織は全国に大小合わせて10以上ありますが、どの連盟に加入するかを選ぶ際の最大のポイントは、やはり会員数・成婚数・お見合い数でしょう。自社の会員数が少なくても、その会員がお見合い・成婚に至れば、お見合い料、成婚料を受け取ることができるからです。
こちらのページで各連盟組織の公表データをもとに実名比較したものを公開していますので、ぜひご覧ください。
こうした横の連携だけでなく、異業種や行政との連携によって会員を紹介してもらうなど、会員獲得のために連携できる相手がいないか考えてみるとよいでしょう。
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