コロナ禍による影響が深刻な業界を中心に早期退職制度や希望退職制度による退職者の募集が急増しています。リストラなどと結びつき、ネガティブなイメージを持たれがちな早期退職ですが、上手に利用することで通常の自己都合退職や定年退職に比べて有利に起業できます。
今回は、早期退職制度を利用して起業するメリットと、起業に成功するためのポイントをご紹介します。
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コロナ禍による影響が深刻な業界を中心に早期退職制度や希望退職制度による退職者の募集が急増しています。リストラなどと結びつき、ネガティブなイメージを持たれがちな早期退職ですが、上手に利用することで通常の自己都合退職や定年退職に比べて有利に起業できます。
今回は、早期退職制度を利用して起業するメリットと、起業に成功するためのポイントをご紹介します。
早期退職制度(早期退職者優遇制度)とは、社員が定年前に自己都合退職する際に、一定の条件を満たす場合には、退職金などが優遇される制度のことです。例えば、「45歳以上55歳未満で勤続20年以上の者が退職する場合には退職金を増額する」というような条件が社内規則に定められていて、その制度を使って退職することをいいます。
早期退職制度と混同しやすいのが、希望退職制度です。こちらは、リストラの目的で会社が社員に対して退職者を募る制度です。通常は、会社側で年齢や部署、人数等を指定して退職者を募集し、応募した社員に対しては退職金などを優遇します。
両者とも会社が社員の退職を促すという点では共通していますが、以下の点が異なります。自分の会社で実施されているのがどちらなのか理解せずに応募すると思わぬ不利益を受けることがあるので注意してください。
早期退職制度は、社員の起業や転職を後押しすることで、結果的に社員の平均年齢の若返りや人件費を削減することを目的とした制度です。制度がある会社では、条件を満たす限り、利用するかどうかやいつ利用するかは社員次第ですし、人数の制限もありません。
一方、希望退職制度は会社の存続のために、社員を減らすことを目的に行われます。そのため、実施されるのは会社の業績が悪化したときに限られます。また、必要以上に退職されてしまうと、会社が成り立たなくなってしまいますから、募集人数が限られていたり、徐々に優遇の条件が下がっていくことが多いです。
早期退職制度は自己都合退職の扱いであるのに対して、希望退職制度は会社都合退職の扱いとなるため、失業手当(失業保険給付)を受けられる条件が異なります。
ごく簡単に説明すると、会社都合退職のほうが早くから失業手当を受け取ることができ、かつ、長期間にわたって受け取ることができます。
安易に早期退職制度を利用して退職してしまうと、失業手当を受け取れずに生活に困ってしまうことにもなりかねないので注意しましょう。
以下では、早期退職制度を利用して退職した人が起業するメリットや成功するポイントについて説明していきますが、希望退職制度で退職した人にも当てはまることが多いので、ぜひ参考にしてください。
早期退職制度を利用して起業するメリットには、以下のようなものがあります。
早期退職制度を利用した場合、退職金が優遇されることが多く、起業時に必要な資金の用意がしやすいというメリットがあります。
平成30年の就労条件総合調査によると、早期退職制度を含む早期優遇退職を利用した場合の退職時の平均支給額は月収の43.4か月分で、通常の自己都合退職(29.6か月分)や定年退職(38.6か月分)と比較して1.1倍~1.5倍多くの金額を受け取れます。
起業における最大のリスクは、事業が軌道に乗るまでに自分の生活費を含めた資金が尽きてしまうことですから、これは大きなメリットといえます。
早期退職制度を利用できる40代、50代の人は、会社員として身に付けてきた経験・ビジネススキルと体力のバランスが起業に適している年代といえるでしょう。
起業して事業を成功させるためには、その事業に必要な専門的な知識・ノウハウもさることながら、PCスキルやコミュニケーションスキルといった基礎的なビジネススキルも欠かせません。こうしたビジネススキルは会社員時代に培われていることでしょう。
いきなり従業員が何人もいるような会社を立ち上げるのであれば別ですが、1人からスタートするのであれば、事業に関わるほぼすべてのことを1人で行う必要があります。事業を成功させるためのアイデアを出し、それを形にし、営業や経理も自分で行う必要があります。そうなると、おのずから体力も必要です。定年後の起業よりも、その点は有利といえるでしょう。
また、40代、50代であれば、知人も現役で仕事をしていることが多いでしょう。取引先になってくれるという実利だけでなく、ビジネスの相談をしたり、アイデアをもらったりしやすいかもしれません。
早期退職制度を利用して起業することのメリットは理解いただけたとして、起業に成功するには、いくつかのポイントがあります。
「早期退職後の起業を見据えて会社員の間に行政書士の資格を取りました」という人は多いですが、資格を持っているだけで事業の成功が約束されているような資格はほとんどありません。起業する前に自分の強みや競合の状況を分析しながら、ターゲットを決めたり、提供する商品・サービスの値段を決める必要があります。
起業前に行った事業計画が金融機関から融資を受ける際に必要な事業計画書のベースにもなりますし、しっかり準備しておきましょう。
定年後の起業と違い、早期退職制度を利用して起業する場合には、年金を受け取れるまでに10~20年あります。生活費のほかに、お子さんがいるのであれば、お子さんが独立するまでの教育資金、持ち家なら住宅ローンのことも考えなければならないでしょう。
つまり、「事業は収支トントンか生活に余裕が出るくらいの黒字が出ればいい」ではなく、会社員時代に立てたライフプランを再設計する必要があるのです。
事業計画とライフプランを見比べながら、「教育資金のために、これだけ収益を上げなければならない」とか、「事業の収益見込みを考えると、このくらいの貯蓄が必要で、家計の無駄を減らさなければならない」といったことを考える必要があるわけです。
早期退職制度を利用して起業するメリットでは、会社員時代に培ったスキルや人脈を生かせるという話をしましたが、一方で会社員時代のあなたは会社という看板や役職という肩書によって仕事をしてきたという側面も理解しておきましょう。
早期退職制度を利用して起業して、残念ながら失敗してしまった人の中には、「会社員時代の取引先を当てにしていたが退職後に営業に行ったらさっぱりだった」「会社員時代の同僚や部下に手伝ってもらおうと思ったのに、連絡が取れなくなった」というように、会社員時代の自分を過信してしまった人がいます。
会社員時代の人脈を生かすも殺すも自分次第です。肩書ではなく、相手にとって「利」のある話で相手を自分の事業に巻き込んでいきましょう。
通常よりも資金に余裕がある状態で起業できる早期退職制度を利用しての起業ですが、無尽蔵に資金があるわけではありません。
「せっかく起業して自分の城を持てるのだから」と、高額なオフィスを契約したり、内装や備品に凝りすぎてしまい、資金が底をついてしまったら元も子もありません。
また、「株式会社にしないと」「資本金は○万円ないと」「従業員を雇わないと」など、会社員時代の経験も踏まえた「会社像」があるかもしれません。
しかしながら、特定の事業を除けば、会社組織でなくても事業を行うことができますし、税金の面でも個人事業主のほうが有利です。
従業員についても、一度雇用してしまうと簡単に解雇できないですし、業績が悪いからといって給与を払わないというわけにもいきません。
家賃や従業員の給与は、売上に関わらずかかるコストで固定費とよばれます。起業直後は固定費をできるだけ減らすことが安定経営のキモとなります。
できるだけ低リスクで起業し、事業の拡大に合わせて組織やオフィスを大きくしていきましょう。
早期退職制度を利用して40代や50代が起業する場合、通常の自己都合退職や定年退職に比べると、退職金などが優遇され、資金面で有利な状態で起業できることに加え、会社員時代の経験・ビジネススキルと体力のバランスが起業に適しているといえます。
一方で、起業に成功するためには、事業計画とライフプランの再設計をしっかり行うことが大事です。起業した後は、会社勤めのときとは環境が大きく変わります。できるだけ低リスクで起業し、事業の拡大に合わせて組織やオフィスを大きくしていきましょう。
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