起業するには、誰もが避けては通れない苦労ポイントがあります。起業したいと思っても実際に何にどれほど苦労するかが未知数だと、事前にその対策を打つことができません。
そこで今回は起業する時・起業した後の4つの苦労ポイントとその対策を紹介します。起業前の準備と、起業してから経営者として活動する際の効率的な対応にお役立てください。
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起業するには、誰もが避けては通れない苦労ポイントがあります。起業したいと思っても実際に何にどれほど苦労するかが未知数だと、事前にその対策を打つことができません。
そこで今回は起業する時・起業した後の4つの苦労ポイントとその対策を紹介します。起業前の準備と、起業してから経営者として活動する際の効率的な対応にお役立てください。
日本政策金融公庫の調査によると「起業時に苦労したこと」と「起業した後に苦労していること」はそれぞれ、下記の通りとなります。
■起業時に苦労したこと(上位4位)
1位:資金繰り、資金調達
2位:顧客・販路の開拓
3位:財務・税務・法務に関する知識の不足
4位:従業員の確保
■起業した後に苦労していること(上位4位)
1位:顧客・販路の開拓
2位:資金繰り、資金調達
3位:従業員の確保
4位:財務・税務・法務に関する知識の不足
経営について相談できる相手がいない、オフィスのスペースがない等、他にいくつも苦労していることはありますが、起業時の苦労と起業した後の苦労の上位4位は同じ項目であることがわかります。
では先ほどのランキング上位4位の何に苦労をしているのかを具体的に説明していきます。
ベンチャー企業における創業期の資金調達方法は大まかに2種類に分けられます。
1つは、株式を発行し資金を直接調達する「直接金融」です。証券会社に事業計画書を提出し株式を発行してもらいます。株主が株を購入することで資金を直接的に調達するという仕組みです。
もう1つは、銀行などの金融機関などから資金を調達する「間接金融」です。銀行に事業計画書を提出して、家や車などの担保を元に融資を受けます。万一、借りた資金を返却できなかった場合は、その担保を売却することを前提に資金を間接的に調達するという仕組みです。
どのような資金調達の方法があるのかについて理解しておきましょう。
ビジネスにおいて、売上を拡大するためには、顧客単価をあげるか、営業を通じて新規顧客を増やすかしなければなりません。それは、どんなスタートアップ企業にとっても同じことで、もちろん、起業家にとっても同じです。新規ビジネスを立ち上げたばかりの時期において、価値を訴求することが困難な中で販売数や顧客単価を上げて売上拡大を図るのは極めて困難です。
売上拡大の方法として、いかに新規顧客を開拓するかに重きをおいて取り組むことが重要です。しかし新規顧客の開拓と一言で言っても、販路がなかったり、顧客が定着しなかったりと多くの苦労があります。
起業するにあたり財務、法務、税務などの知識を持ち、定められた処理を正確に実施することは重要です。財務処理を適切に行わないことで決算誤りとなること、法令遵守をしないことで顧客・従業員とトラブルになり最悪の場合訴訟問題になること、あるべき税務処理をしないことにより脱税に見られることなど、これらのことを軽視することで会社の信用を失う可能性もあります。
コンプライアンスが徹底されていないことで会社として信用を失うということは、起業する上でとても大きなリスクとなることを理解しておきましょう。
今までの知人や友人を頼る以外で、まったく新しい人脈を使って従業員を確保することは大変困難です。起業したばかりの時点では、そもそも何をやっている企業かわからない、給料がしっかりともらえるのか不安など、従業員側から見ると誰しもが考える不安材料があるからです。
従業員をいつ、どのように、どんな待遇で採用するか、その採用した人材を以下に管理していくかは多くの起業家にとって苦労しているポイントです。
これまでは、起業する際に苦労するポイントについて紹介しました。次にそれぞれの苦労ポイントに対し、実際にどのように準備・対応できるのかについて説明していきます。
直接金融・間接金融にかかわらず、共通して言えることは事業計画書を作成して、金融機関の審査を受けることで資金調達ができることです。審査に通るかどうかは、事業計画書の内容次第です。事業計画を作成する際は、いくら儲かるかについて示す「損益計画」と資金のやり繰りを表す「資金繰り計画」の2つに分けて検討・作成することを推奨します。
一見、この2つは同じことを指しているようですが、損益計画において儲かる計画ではあるが、資金計画においてはお金が不足する計画になることもあります。金融機関は、投資した金額のリターンが見込めるかどうかをシビアに見てきます。そのためこの二つの計画を明確に示し、その根拠について具体的に示すことが必要不可欠となります。
前に記述したとおり、売上拡大のためにまずは新規顧客を獲得することに注力するのがオススメです。ではどのように新規顧客を獲得すればよいでしょうか。
新規顧客を獲得する方法はいくつかあります。もっとも多いのは、既存のお客様から紹介してもらう方法です。自社のサービス内容・商品・強みを効果的に新たな顧客に伝えることができます。既存のお客様からの紹介ということもあり、話を聞いてくれる可能性が高く即効性があります。
起業した直後は、資金繰りや販路の拡大などやることがたくさんあります。どうしても、財務等の知識を習得するのは後回しになってしまいます。多くのことを一気に学ぶことは難しいため、専門家に頼ることが一つの解決策となります。
財務は会計事務所、法務は法律事務所、税務は税理士事務所と、餅は餅屋に任せることで本業に集中することができるでしょう。起業支援に特化した専門家もいるため、起業する前に相談し人脈を作っておくと、起業した後いざ困った時に相談することができます。
起業時に従業員を確保するための方法はいくつかあります。具体的には「自身の縁をあたる」「ハロー枠での求人」「人材紹介企業に依頼」「ネット等の求人媒体で募集する」等があります。起業直後の初期の従業員は、自身の縁をあたるパターンが多いです。とくに同じ職場にいた場合は、能力や経験も理解しているので、適正を見てアサインしやすく、採用募集費用も不要のためお勧めです。
ハローワークも無料で求人できますが、求人範囲が狭いために希望する人材がいないことも多くあります。
一方で人材紹介企業に依頼することと、ネット経由の募集は時間と労力はかかるものの、幅広い人材を確保できるため軌道に乗ってきた後にさらに売り上げ拡大にドライブをかけたい場合に適しています。
このように起業後のフェーズに応じて、確保方法を柔軟に変えていくとよいでしょう。
今回は起業する時、起業した後に苦労することと、苦労ポイントに向けて準備することについて解説しました。起業する時には、さまざまな苦労があると思いますが、どの項目も軌道に乗るまではとても重要なことになります。
逆におろそかにすると、長く会社が続かなくなってくることが多いのも事実です。ぜひ、先に起業している人たちの苦労ポイントとその対策を参考に計画的に準備しておきましょう。
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