30歳を目の前にして、「独立開業」という選択肢を大切にされている方が多いと聞きます。年代も節目にあたり、現状の会社のルーチンワークも極めてきた中、「どうにかして、自分自身の会社を創設し事業運営することはできないだろうか?」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
10代から独立を志す学生や一般企業に就職することなく、大学や高校を卒業後すぐに独立開業するという行動力がある方もいらっしゃるようです。今回の記事では、そんな若者が独立開業を目指す際の支援サービスについて考えてみたいと思います。独立を目指す若者のあなたには必見な情報や心得をご紹介しましょう。
若者の開業率が高まっている背景
現在の日本国では経済の活性化を重視して、若年層への開業サポートや資金的・空間的な援助を積極的に行っています。その支援提供システムの拡大と比例するかのように、民間での支援サポートも増えてきているのが実情です。
この章では、民間やNPOの支援サポートではなく、国・地方自治体が提供する、過去からの充分な実績があるサービスのご紹介を含めて、「若者がもっと自信をもって独立開業するべき理由」についてもご説明差し上げます。
ご自身の生き方をコンテンツとする生き方
一般企業で採用されて5〜6年程度の社員の場合、日々の会社からのオーダーやクライアントへのサービスを徹底します。これは大企業であっても中小企業であっても同じことで、給与という代価を頂くには、務めている企業の上司の指示や考えに従う責務がある事であるということです。
そんな30歳前後の若者からたくさんの支持を得られている「セルフブランディング」という「自由な働き方」。2010年頃からブロガーやインフルエンサーという、既存には無かった概念や思考で、自身を商品化するというビジネスモデルが流行出しました。
ご自身の考え、思考、行動、趣味など身の回りの「自分」をインターネットを介して配信することで全国からファン層を創出し、サロンやクラウドファンディングなどで資金・援助を集める若者が増えてきたのです。
一家に一台の大型テレビは昭和を象徴していましたが、パソコンやタブレット1台で数億円の価値評価を上げるインフルエンサーが沢山いる平成のこの時代になると、「自分らしく生きるため」が柱となり「モノよりも情報」という流れになりつつあります。
また、国が掲げた独立開業する際の制度の改革によって、資本金が0円でも開業することができるようになりました。この制度も助けて高い軍資金を用意しなくても、実質的に株式会社を創設することができるようになったのです。
独立を予定したり勧められたりすると、開業後の運営について不安を抱いたりすることがあると思います。ですが、上記のような「ご自身がコンテンツ」と考えると、とても楽しい気持ちになりませんか?形式が決まった枠の中での独立開業・事業運営ではなく、日々変わりゆく現代の情勢に身を投じながらも順応して、狭いターゲットでも喜んで頂けるユーザーが存在するということは、人生の醍醐味であると私は考えます。
もっと自信をもって堂々と独立することで、周囲へのPRにもなりますし、開業後の展開についても良い意味で拍車を掛けると感じています。
若者が独立開業する時は国や自治体に支援を依頼するのもあり
では、前項の歴史・文化的な背景を踏まえて、具体的に「独立開業する際の支援サービス」の種類やスキームはどんなものなのでしょうか?
独立開業する際の資金調達という言い方をすると大きく以下のようなジャンルに分かれます。
・個人の貯蓄やご家族・ご両親からの金銭・不動産・物的支援
・銀行などの一般金融機関からの支援(融資)
・国や自治体の制度を利用した支援
・使用用途が自由なビジネスローン
上記の中で最も実績が明確なのが、国と自治体が提供する支援サービスです。自由な生き方を実践し新しいビジネスモデルを構築していきたいとう現代の若者にはピッタリの支援システムが存在します。
国の創業補助金
<地方需要創造型起業・創業>
地域のニーズを満たす、独自性のあるサービスや商品、就業機会の提供を行う事業者が利用できる補助金。
<第二制度>
新しい分野への進出、先代から引き継いだ事業の進出をサポートする補助金。
※各制度の最新の情報や公募状況は、中小企業基盤整備機構の公式ウエブサイトを御確認ください。
中小企業基盤整備機構公式:http://www.smrj.go.jp/
中小企業庁が管轄する補助金や制度
産業競争力強化法という法律が制定されてから、全国の自治体で細かくその支援内容やサービスが提供されるようになりました。セミナーやイベント、補助金・助成金など、細かくジャンルが分かれていますので、この機会にご自身のお住まいの自治体ではどういう補助金制度があるか検索してみてください。
※全国一律の補助金紹介ではございません。自治体によって提供内容が異なります。
中小企業ビジネス支援サイト公式:http://j-net21.smrj.go.jp/snavi/support2
若者が独立開業する際に日本政策金融公庫を利用するには?
全国の主要都市に存在する日本政策金融公庫。この団体は国税を使って独立時の運転資金の融資を積極的に行う組織です。その支援総額は高く、後に実績を積むことで枠が大きくなり、将来も設備費用や運転資金について支援して下さいます。
若年層の独立開業の際も親身になって開業相談を受け付けてくださいます。非常に理論的なスコアリングを採用し支援体制を提供してくださいますので、ご自身の事業計画についてもたくさんの指摘や推奨を頂くケースが多いです。
申請されるあなたが30代の若い類に入る志願者であっても、経営者として話しを進めますので、「初めてだから・・・」「緊張して・・・」という事態にならないようにしっかりとした姿勢で説明しましょう。
開業時の支援内容は様々ですが、一定の根拠と詳細を添付した事業計画書を持ち合わせて窓口へ行くと、該当する支援手続きをすることができます。下調べも大切ですので下記のURLから支援内容と事業内容や方向性を確認してから伺うようにしましょう。
支援制度の例
<新事業活動促進融資制度>
経営の多角化や事業拡大を目的とした融資制度。運転資金は4,800万円まで、設備投資は7,200万円まで融資可能。
<新規開業支援資金>
新たに事業を始める方、または創業開始7年以内の方が利用できる融資。運転資金は4,800万円まで、設備投資は7,200万円まで融資可能。
詳細な融資制度についてはウエブサイトをご覧ください。
JFC日本政策金融公庫公式:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index.html
日本政策金融公庫は、国の税金を利用した支援・融資をするため一般的な銀行やビジネスローンとは異なり、支援決定のハードルは低いと言えるでしょう。但し、実績を残しそうな事業や企業だけが採用されますので、なんとなく資金を融資して欲しいという曖昧な事業者・企画書や事業計画書では受け付けてくれませんのでご注意ください。
また、毎月の返済期日に1日でも遅れると履歴に残り、次回の融資依頼の際にスムーズな手続きができない場合があります。支払い計画もしっかりと説明して安心要素を確保しましょう。
「若者の独立開業を支援するサービスとは」まとめ
前項まで独立開業の支援環境や、開業率の向上による支援サービスの広がりについてご紹介しました。「独立開業には大きなリスクがある」という概念をお持ちの方がたくさんいらっしゃる中、ご紹介した国や自治体の支援サービスを利用して開業のための資金を集めることが出来ている人が存在していることを理解して頂きたいです。
一人で悩むことなく何事も実際に支援担当者に会って相談することで、一歩一歩スタート地点へ進んでいくことができますよね。業務上の繋がりでの人脈も大切ですが、上記でご紹介しました公的な場所でサービスをする人脈形成も開業後はとても大切になります。
日本国をはじめ諸外国のように、何歳になっても独立開業することができる環境に皆さんは住んでいます。若いから、実績がないからと言わず、行動力と柔軟な対応を武器に、独立開業までのアプローチを躍進して頂きたいと思います。