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フランチャイズは儲かる?失敗しないための本部選びのポイント

起業を考える方が一度は検討するのがフランチャイズによる開業だと思います。フランチャイズならば、未経験でも本部の指導を受けることで事業を立ち上げることができますし、成功したビジネスモデルを利用することで、失敗しにくいといえます。一方で「フランチャイズは儲からない」という話もよく聞きます。
そこで今回は、フランチャイズは儲かるのか、失敗しない本部選びのポイントについてご紹介します。

フランチャイズの仕組みをおさらい

まず、フランチャイズの仕組みをおさらいしましょう。

フランチャイズの定義については、法令上の定義はありませんが、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」では、「本部が加盟者に対して、特定の商標、商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供その他の事業・経営について、統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟者が本部に金銭を支払う事業形態」とされています。

具体的には、本部(フランチャイザー)は、店舗名やロゴなどの使用を許可し、加盟店(フランチャイジー)の開業の支援を行うとともに、開業後は商品の仕入れや経営を支援することで、対価を得ています。フランチャイズに加入するときに加盟金や保証金を支払い、開業後は売上に応じたロイヤリティを支払う契約が一般的です。

日本フランチャイズチェーン協会の2020年度「フランチャイズチェーン統計調査」によると、日本国内のフランチャイズチェーン数(ブランド数)は1,308チェーン、店舗数は254,017店舗、売上高は25兆4204億円だそうです。

フランチャイズが儲かる理由・儲からない理由

次に、フランチャイズが儲かる理由・儲からない理由について考えてみましょう。

フランチャイズが儲かる理由

フランチャイズが儲かる理由を一言でまとめると、実績のあるビジネスモデルを利用することで、一から起業する場合と比較すると、成功の可能性が高くなる、ということになりますが、もう少し詳しくみると、以下のようになります。

チェーンの知名度を利用できる

新規出店であっても、そのチェーンの名前が有名であれば、「あの○○(チェーン名)が近くにできたし、行ってみよう」となるでしょう。本部もチェーンの知名度を上げるために広告を出すため、個々の店舗が広告を出さなくても集客することができます。

商品や原材料の仕入れにスケールメリットが活かせる

フランチャイズでは加盟店で販売する商品や原材料を本部が一括で仕入れ、それを加盟店に卸す方式が採用されていることが多いです。取引量を増やすことで仕入価格を下げることができるため、単独の店舗よりも好条件で商品や原材料を仕入れることができます。

加盟店は販売・サービスの提供に専念できる

通常、新商品の開発には、市場調査や試作などに莫大な費用がかかり、通常の業務と並行して開発を行うのは難しいものです。フランチャイズの場合、開発を本部が行うことで、加盟店は販売やサービスの提供に専念することができます。

同様に、業務に使う道具やシステムも単独店舗で一から開発したら莫大な費用がかかりますが、こうしたものも本部が用意してくれるので、安価で利用することができます。

フランチャイズが儲からない理由

単独店舗よりも低コストで競争力のある商品・サービスを提供できるフランチャイズにもかかわらず、儲からないのはなぜでしょうか。その理由を考えてみましょう。

本部への支払が高すぎる

最初に見たように、フランチャイズの加盟店は本部に対して、加盟金、保証金、ロイヤリティといったお金を支払う必要があります。これは上で説明したフランチャイズのメリットを受けるための対価といえますが、その金額が高すぎる場合、いくら売上が上がっても儲けが出ないということになります。

本部が支援してくれない

フランチャイズは業界未経験でも起業できるのがメリットですが、本部が支援してくれることが前提となります。本部が集客や経営の支援をしてくれないと、売上が伸びず、行き詰まってしまいます。

本部のドミナント出店の影響を受ける

コンビニでよくみられる手法ですが、その地域のシェアを上げるために、狭い範囲に同じチェーンの店舗を集中的に出店することがあります。こうした手法をドミナント出店(ドミナント戦略)といいます。
自社の店舗が増えるのであれば、1店舗当たりの売上は減るものの、全体としての売上が増えることでカバーできますが、本部が他の加盟店に同じ地域への出店を認めてしまうと、売上が減り、儲からなくなる可能性が高いでしょう。

失敗しない本部選びのポイント

では、最後にフランチャイズで儲かるために失敗しない本部選びのポイントをご紹介します。

本部の経営状況に問題はないか

フランチャイズの加盟店にとって、フランチャイズに加盟するメリットは、本部が持っているブランド力や開発力、経営ノウハウが利用できることですが、本部の経営状況が悪化すると、こうしたメリットを受けられなくなります。万が一、本部が倒産ということになれば、ブランドイメージが悪化し、加盟店自身の経営が安定していても集客への影響が避けられません。こうしたことを避けるためにも、加盟前に本部の経営状況について確認するようにしましょう。

フランチャイズの本部は、一定の事項について契約締結前に書面によって情報提供する義務があり(中小小売商業振興法11条)、その中に直近3事業年度の貸借対照表及び損益計算書に関する事項があります。
こうした書類を分析することは難しいかもしれませんが、売上がどのくらいあるのか、何に関する経費が多いのか、どのくらい儲かっているのか、といったところはある程度把握できると思います。

また、開示書類の中には直近3事業年度の店舗数の推移に関する情報も含まれているので、こうした情報も経営状況の把握に役立つでしょう。

支払うお金と得られるサービスとのバランス

初期費用である加盟金や保証料、ランニングコストであるロイヤリティと得られるサービスが見合っているかを確認しましょう。
一般的には、初期費用が高いほど開業のハードルが上がり、ランニングコストが高いほど黒字の達成が難しくなります。開業後の当面の目標は単月黒字・累積黒字の達成でしょうから、達成可能かどうか、本部の話を聞くだけでなく、自分でもよく検討してください。

加盟店が支払うべき金銭や経営指導の内容については、開示することが定められているので、同業他社とも比較しましょう。

経営に対する制約の程度

フランチャイズはブランドイメージを守るため、販売する商品・サービスの内容、広告宣伝の方法や内容について、制約をかけるのが通常です。過去、コンビニエンスストアで賞味期限が近付いた商品の値引き販売を本部が妨害したとして、本部に対して排除措置命令が出されましたが、ここまででなくても、営業時間や販売価格を事実上強制する例は少なくありません。

状況に応じて臨機応変に対応できることは、利益を増やし損失を減らすためには必須といえます。制約の程度と制約に対する補償の有無はセットで確認しておきましょう。

ドミナント出店の有無

上でも触れましたが、ドミナント出店がありうるかどうかは、加盟店にとっては死活問題となります。一方で利益を上げたい本部としては、加盟店数を増やしたいと考えるのが当然といえるため、調整が必要となります。

事業によって商圏が異なるため、一概に言えませんが、「同じ市内に出店しない」「半径○km以内には出店しない」等、本部との取り決めは明確にしたうえで書面に記載するようにしましょう。

まとめ

今回は、フランチャイズは儲かるのか、また、失敗しない本部選びのポイントについてご紹介しました。フランチャイズの加盟店は本部のノウハウを利用することになりますが、どの本部を選ぶかは自由です。「費用が安いから」「いま流行っているから」といった理由で安易に選ばず、必ず複数の本部を比較しましょう。比較してみないと、何がその業界にとって「普通」なのかもわからないからです。

フランチャイズは未経験者が開業するなら、有力な選択肢の一つです。今回の記事を参考に起業を成功させてください。

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