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独立開業時に最低限必要な届け出はこれ!書き方や提出先を解説

独立開業をしたいと思ったとき、経験がない分、不安な事が多いですよね。

応援してくれる家族も精神的な支えにはなるけど、実際に事業を立ち上げた経験がない場合、結局は一人で探して解決していかなければなりません。

 

ここでは、これから独立開業しようと思っている方に向けて、独立開業時に最低限必要な届け出の種類や、それらを出すことによって、どのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。

独立開業を行う際には、事前情報として確認しておいてください。

独立開業時に最低限必要な届け出と提出先

独立開業する場合、大きく分けて個人事業主として独立する方法と、会社を設立して独立する方法があります。どちらの方法を選んだほうがよいかについては、「【徹底比較】起業するなら個人事業主と会社設立どちらを選ぶ?」で詳しく説明していますが、すぐに独立したい場合には、個人事業主としての独立がおすすめです。個人事業主としての独立は、手続も少なく、費用も時間もかかりません。

個人事業主として独立するデメリットとして、会社を設立して独立する場合よりも税金が高くなる可能性がありますが、売上が少ないうちは会社のほうが維持費がかかるため、まずは個人事業主として始め、ビジネスが大きくなってから法人化するのも良いでしょう。

ここでは、開業手続が早くできる個人事業主について、開業時に最低限必要な届け出書類の種類と、書き方・提出先をご紹介していきます。

・開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)

開業届は、個人事業主として、開業した際や、事業を廃止したときに提出するものです。

提出期限

事業の開始から1か月以内

提出先

納税地を所轄する税務署長。通常、納税地は住所地ですが、住所地に代えて事業所等の所在地を納税地にしたいときは、別途「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を住所地を所轄する税務署長に提出する必要があります。

2部作成し、1部を提出し、もう1部には受付印をもらって控えとして保存します。開業届の控えは、開業したことの証明書として、金融機関の口座開設やクレジットカードの申込の際に写しの提出を求められることがある(特に確定申告が済んでいない初年度)ため、大切に保管しておきましょう。

記入上の注意

開業届を作成するうえで、注意すべき項目をいくつか紹介します。

職業
書き方に特に決まりはありません。日本標準産業分類を参考にしてもよいですし、「フリーランス」といった記載でも問題ありません。
屋号
屋号とは、事業を行う際に用いる名称のことです。芸能人の芸名や作家のペンネームなども屋号です。記入せず空欄のままでも構いません。
届け出の区分
「開業」に〇を付けます
所得の種類
「事業(農業)所得」にチェックを付けます
開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告承認申請書」は「有」にチェック、「消費税に関する『課税事業者選択届出書』」は通常「無」にチェックします。「有」にチェックすると、初年度から消費税の課税事業者となり、消費税を納税しなければならなくなりますが、受け取る消費税よりも支払う消費税のほうが多い場合には、課税事業者になることで消費税の還付を受けることができます
事業の概要
特に書き方に決まりはありません。できるだけ詳しく書くようにします
給与等の支払の状況
専従者(家族など)や使用人(従業員)を雇用する場合は記入します。その場合は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」と「給与支払事務所等の開設届出書」、「青色事業専従者給与に関する届出書」も併せて提出します

・所得税の青色申告承認申請書

青色申告承認申請書は、青色申告の承認、つまり所得税を軽減するための特典を受けるために提出するものです。

提出期限

事業を開始してから2か月以内ですが、開業届と一緒に提出したほうが提出漏れがなくてよいでしょう

提出先

納税地を所轄する税務署長

・給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書は、個人事業主として独立開業した際に、従業員を雇った際に必要な届け出書類となります。個人事業主として独立開業し、人を雇った際には、給与を支払いますが、その給与の中で従業員の所得税を源泉徴収して税務署に納めることになります。それらを行うために必要な書類が、給与支払事務所等の開設届出書となります。

なお、従業員を雇用する場合には、給与支払事務所等の開設届出書のほかに、労働保険(雇用保険と労災保険)の加入手続も必要となります。詳しくは「労働保険の成立手続」をご覧ください。

提出期限

給与支払事務所の開設から1か月以内ですが、開業届と一緒に提出したほうが提出漏れがなくてよいでしょう

提出先

給与支払事務所等の所在地の所轄税務署

届け出を出すメリットは?

これらの書類を提出するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、書類を提出するメリットついてご紹介していきます。

・開廃業等届出書

個人事業の開廃業等届出書を出すことで得られるメリットとしては、事業所得として申告することができるようになり、「赤字が出たときに他の所得と合算できる」という点があります。例えば、給与も受け取りながら事業を行っており、事業所得が赤字になったときは、給与所得の黒字分と合算することができるので、課税所得を減らすことができます。

届出書提出の直接のメリットではありませんが、個人事業主の開業を証明する書類として、受付印が押された届出書が使われることがあります。金融機関で屋号付きの口座を開設したり、事業用のクレジットカード(ビジネスカード・法人カード)を申し込む際に開業届の控えの写しを求められることがあります。

・所得税の青色申告承認申請書

所得税の青色申告承認申請書を提出することにより、個人事業主として、青色申告者となり、最大で65万円の所得税の控除(青色申告特別控除)が受けられたり、同じ生計となる配偶者や親族に支払う給与分を全額必要経費として計上できたり(青色事業専従者控除)します。また、損失を翌年度以降に繰り越して黒字と相殺したり、逆に前年の黒字に繰り戻して還付を受けることができます。
帳簿の作成が面倒に思うかもしれませんが、その分メリットも大きいのでチャレンジする価値があると思います。

・給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書を提出することについて、メリットを感じられるものというよりも義務的なものになります。提出しない場合のリスクとしては、税金の納付を怠ることになり、余計な税金を支払う可能性が出てしまうことです。

そのような事にならないためにも、従業員を雇用した場合には、給与支払事務所等の開設届出書を届け出ることを忘れないようにしましょう。

独立開業をサポートしてくれるところ

このような書類を作成する際に、自分一人では難しい場合には、サポートを受けることができます。具体的には、以下のようなところでサポートしてくれます。

・開業サポートWebサービス

クラウド会計サービスを提供している企業が開業届など開業に必要な書類の作成をサポートしてくれるサービスを提供しています。質問に答えていくだけで、どの書類が必要か判定し、書類を作成してくれます。会計サービス導入の入り口として提供されているので、会員登録すれば無料で利用できるものがほとんどです。
説明も丁寧ですが、全てのパターンを網羅しているわけではないので、細かい記載内容については自分で確認する必要があります。

・税理士事務所

税理士事務所でも個人事業主の開業に関する書類作成をサポートしてくれるところがあります。これらを無料で実施しているところもあるので、近くの税理士事務所などに確認してみると良いでしょう。一般的な質問であれば、税理士会の税務相談センターでも対応してくれるでしょう。

・税務署

税務署の窓口でも相談に乗ってくれますが、事前予約が必要です。希望する時間帯が空いていないこともあるので、提出期限に余裕をもって予約を入れるようにしましょう。主な手続については国税庁のホームページにも掲載されていますし、電話相談もあるので、そういったものを利用するのもよいでしょう(国税庁ホームページ「税についての上手な調べ方」)。

まとめ

今回は開業届を中心に、独立開業する際の届け出書類についてご紹介してきました。開業届の作成・提出は、独立の最初の関門といえるかもしれません。今回の記事を参考に、情報をしっかり集めて、スムーズに提出できるようにしましょう。

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