マリッジサポート イトカワ

めぐり逢う二人の為の物語を応援します

結婚相談所物語 最終章

  • 成婚エピソード
  • カウンセラーの日常
マリッジサポート イトカワ「結婚相談所物語 最終章」-1

目次

  • 親子の時間
  • エピローグ

親子の時間

マリッジサポート イトカワ「結婚相談所物語 最終章」-2

結婚相談所物語の続編(vol.5)です。1作目~4作目をお読みで無い方は、まずはそちらををお読み頂くことをお薦めさせて頂きます。

翌日から鈴木さんは約束通り実家から仕事に通って、掃除をした後にお母さんの肩を揉んでから、声に出してお父さんが作った「妻への誓い」を読んでから寝るという事を守ってくれているそうです。

それから数日後、お母さんから私に電話がありました。

「那須さんの言う通り、尚典は毎日トイレとお風呂の掃除をしてくれています。最初は下手だったんですけど、那須さんの言う通り厳しく出来ていないところを注意してましたら、段々と上手になって手際も良くなっています。」

お母さんは嬉しそうな声で報告をしてくれています。

「でも、本当に良かったんですかねー。毎日肩揉みまでさせて…」

「いいんですよ。今まで散々親に迷惑をかけてきたんですから、それくらいしてもらって当然です。それでその時の事は上手く出来ていますか?」

「はい、那須さんの言う通り肩揉み中に尚典には、お父さんの良かった点の思い出を話して、私が尚典にしてやれなかった事の後悔を話すようにしています」

「そうですか、ありがとうございます。お母さんと尚典さんにはコミュニケーションの時間が足りなさすぎてたんだと思います。改めてそのような話をしてあげる事で、お母さんの本当の想いが伝わっていくと思いますよ」

「そうなんです。なんだか、まだ、小さかった頃のとっても優しくて良い子だった頃の尚典に戻ってきたように感じているんです。7歳の頃だったかなぁ。あの人が亡くなって少ししてからの事だったと思うんですけど。尚典がね私に言ったんですよ。僕は結婚をしてもお母さんが大切だから結婚相手が出来たら、その人とお母さんと3人でお母さんの誕生日は毎年必ずお祝いしてあげるって」

「へー、そんな事を言ってくれてたんですか。ふーん。でも本人は完全にその話忘れてますよね。その話も一度本人にしてください。今回の誕生日の件も改めて反省してもらいましょう」

「でも、私はもういいんですよ。那須さんにもあの時お話ししたように何も反対している訳じゃないですし、お父さんが書いたっていう事になってるあの誓いも、今の尚典でしたらちゃんと守れるように思うんです」

「いやいや、もう少し様子を見ましょう。親子の時間を取り戻していくせっかくの貴重な機会ですから、思いっきり親孝行させてしっかりと楽しんでください。あの誓いもね、お父さんが書いたって事になってるから、より効果的なんです。お父さんには申し訳ありませんが、尚典さんが幸せになってくれる事なら、きっとお父さんも喜んでくれると思いますので…。この話は2人だけの秘密ですからね。絶対にばらさないでくださいね」

「そうですか。分かりました。そしたらもう少し続けてもらいますね。那須さん、本当に今回の事はどうもありがとうございました。那須さんのおかげで尚典とも改めて親子関係をやり直しさせてもらえました。本当に良かったです。安心して結婚してもらえそうです」

「雨降って地固まる。です。お母さんが結婚を反対してくれたお陰で、2人には親が子を想う気持ちについて考える良いきっかけになったと思います。尚典さんも真子さんもお互いの親御さんがどんな気持ちで自分たちの事を見守ってくれていたのか再認識できたと思います。

僕自身もとても良い勉強になりました。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

それから半年後、尚典さんと真子さんは結婚式の写真を持って事務所に挨拶に来てくれました。

お二人とも、とても仲睦まじく幸せそのものの様子です。

「那須さん、結婚式に出て欲しかったのに残念でした…。」

「せっかくお誘い頂いたのにすいませんでした。僕は、マリッジカウンセラーという仕事は、あくまでも黒子に徹するべきだと思ってるんです。人知れず結婚に向けてのサポートをして、会員様が幸せにさえなってくれたらそれでいいんです。ですから結婚後はあまり出しゃばらないようにしているんです。」

「そうなんですね…。ここまで、色々とお世話になりまして、どうもありがとうございました。

これ結婚式の写真です。見てください。」

「いやー、皆さん幸せそうで何よりです。真子さんのご両親も尚典さんのお母さんもいい笑顔で写っていらっしゃいますねー。」

「後これも見てください。新居の写真なんです」

と言って、尚典さん夫婦と尚典さんのお母さんが3人で笑顔で写っている写真を見せてくれました。3人の後ろには額に入った「妻への誓い」が壁に掛けられています。

「那須さんにお祝いで頂いたこの額、サイズがぴったりだったんです。那須さんよく大きさ分かりましたねー」

「そりゃ、そうですよ。……。いやいや、お母さんにお会いした時に見せてもらいましたからね、多分A3サイズだったかなー。と思ってたんですよ。そうですか。ぴったりで良かったです」

「あとね、チョット不思議に思ってるんですけど、この誓い多分パソコン打ちでしょう。40年前なのによくこんなのお父さんが用意できたなーと思うんですよ。40年前にパソコンなんかあったんですかねー?」

「えー、そうか⁉︎……。そういや、パソコンはまだその頃出てませんよねー。……。

でも、ほらお父さん印刷屋さんですし、そりゃ、これくらいなんとかなるでしょー。」

「そうかなぁー。なんか40年前にしては紙も綺麗ですし。不思議やなぁーと思ってるんです。」

「…。まぁ、良いじゃないですか、そんな細かい事は、とにかく、この誓いをしっかり守ってくださいよ。ねっ、真子さん。

それとお二人は、この言葉を忘れないで、しっかりと覚えておいてくださいね!」

と言って事務所の壁に掛けた『感謝 利他心 親孝行』の額を指差しました。

二人はお互いに笑顔で見つめ合って頷きました。


エピローグ

マリッジサポート イトカワ「結婚相談所物語 最終章」-3

結婚は、当人同士にとってもそのご家族にとっても、人生を左右する一大事です。

幸せな結婚生活をおくる為には「感謝・利他心・親孝行」が、キーワードになると当社では考えています。

結婚に向かっての過程から結婚後も、夫婦には様々なトラブルや問題が度々降りかかります。

そんな時、「自分良く・相手良く・第三者も良い」『三方良し』の的確なアドバイスが聞ける場所、結婚についてなんでも相談できる場所、そのような「結婚相談所」を目指して、マリッジサポート・イトカワは会員様の幸せな結婚生活を全力でサポート致します。

この度は、私の拙い文章に最後までお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。

よろしければ、次回作にもご期待くださいませ。


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