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婚活寓話「なぜ結婚したいの?」(後編)

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婚活カウンセリングのリアルラブ「婚活寓話「なぜ結婚したいの?」(後編)」-1

目次

  • 婚活メンター・早川とのセッション(2回目)
  • 相手の条件ではなく、「自分のビジョン」を持つ
  • 「自分を知る」ことの大切さを考える
  • 自分を知ることが幸せな結婚への近道
  • ”結婚してから”を視野に入れたカウンセリング

婚活メンター・早川とのセッション(2回目)

奈々は、初回のセッションで「なぜ結婚したいのか?」を問い直され、今まで自分が不安や焦りの中でしか婚活を考えてこなかったことに気づいた。

 「先生、やっぱりよくわからないんです……。婚活を始めたはいいけれど、自分が本当にどういう人と結婚したいのか、まるで霧の中にいるようで。どんな顔で、身長はどれくらいで、趣味は何で……と考えようとするんですが、それがピンとこないんです。やっぱり、具体的に決めておかないとダメですよね?」

 早川は微笑みながら、軽く首を振った。

 「正直、その考え方がスタンダードで、婚活市場での”常識”かも知れません。『理想の相手を具体的にイメージすると、引き寄せられる』なんて話もありますが…… でも、私はね、それには賛成しかねるんです。」

相手の条件ではなく、「自分のビジョン」を持つ

「奈々さん もし、お相手の条件をあれこれ決めたとしましょう。

 『身長175cm以上、年収800万以上、趣味はアウトドア、家族思いで優しい人』……。

 でも、そんなふうに条件をガチガチに固めてしまうと、探すのに困ることになりませんか? たとえば、レストランでメニューを開く前から、『絶対に“松のうな重”が食べたい!』と決めてしまっていたとしたら? 目の前に店長オススメの絶品の寿司が運ばれてきても、『うな重じゃないからいらない!』と突っぱねてしまう。

 そんなの、もったいなくないですか?笑」 奈々は思わず吹き出した。「たしかに、もったいないですね。」

 「結婚も同じです。条件を決めすぎると、本当に大事なものを見逃すことになる。

 大事なのは、“どんな人と結婚したいか”よりも、“自分がどんな人生を送りたいのか”なんです。」

未来の自分を思い描くことで相手が見えてくる

「つまり……今の自分にとって、本当に心地よく、満たされる人生を想像することが、結果的に相手を見つけることにつながるってことですね?

 ただ誰かと結婚することが目的ではなく、自分の人生の軸を見つけることが大事なんですね。」

 「その通り!」 早川は笑顔でうなずいた。 「たとえば、奈々さんが『毎朝、海辺を散歩して、新鮮な空気を吸いながらコーヒーを飲む生活がしたい』と思ったとしましょう。

 すると、それに合う相手が自然と見えてくる。仕事に忙殺されて家に帰らない相手より、一緒に穏やかな朝を過ごしてくれる相手が理想になってくる。

 そうやって、自分の人生のビジョンが決まれば、“理想の相手”は後からついてくるんです。」

「自分を知る」ことの大切さを考える

「奈々さん、これまでで一番『充実していて、自分らしくいられた』と感じた瞬間はありますか?」

 奈々は少し考え込んだ。

 「えっと……昔の学生時代の仲間と海外旅行に行ったときは楽しかったです。」

 「じゃあ、その旅行のどんな体験が楽しかったですか?」

 「うーん、海辺でぼーっとしていた時間が一番好きでした。でも、それだけじゃなくて……仲間と一緒にアクティブに動き回ったのも楽しかったです。例えば、知らない街を歩きながら、地元の市場を巡ったり、思いがけず面白いカフェを見つけたり、山奥の渓谷でキャーキャー叫びながら吊り橋を渡ったのがワクワクしました。未知の体験って、ちょっとした冒険みたいで好きなんですよね。」

 「なるほど。奈々さんは、新しいことにチャレンジする好奇心も強いんですね。それは素晴らしいことです。ところで、旅行中に一番印象に残っている会話はありますか?」

 「うーん……夜、みんなでワインを飲みながら話したときですかね。たわいもない話もしたけれど、社会のこととか、ジェンダーとか、自分たちの価値観について、けっこう深く話し合いました。時々意見がぶつかることもあったけど、それがまた面白くて……。普段は考えないようなテーマについて、じっくり言葉を交わすことで、新しい視点を得たり、自分の考えを整理できたりするんですよね。そういう時間って、すごく刺激的で、私にとっては大切な時間なんです。」

 「なるほど。静かに一人の時間を楽しむ自分と、仲間と刺激的な会話を交わしながら成長したい自分。そのどちらも奈々さんなんですね。」

 早川は軽く頷いた。

 「そうやって、自分がどんなことに喜びを感じる人間なのかを知ることが、自分を深く知る第一歩なんです。」

 「それが……結婚と関係あるんですか?」 「大アリですとも!」

 早川は微笑んだ。

 「たとえば、奈々さんが朝の瞑想を大切にしたいのに、パートナーが朝からテレビを爆音で流すタイプだったら?」

 奈々は想像して、苦笑した。「それは、つらいですね……。」

 「でしょう? だから、自分の“心地よい”を知ることが、結婚においてはとても大切なんです。」

自分を知ることが幸せな結婚への近道

奈々は深く頷いた。

 「なんだか……少しだけ、わかってきた気がします。」

 「いいですね。」

 早川は優しく微笑んだ。

 「婚活は、相手探しの前に、自分探し。

 それができれば、結婚は『焦ってするもの』ではなく『納得して選ぶもの』になります。」

 早川は奈々の目をじっと見つめ、少し声を落として、続けた。

 「ほら、奈々さん。結婚って、究極の長期契約みたいなものですよ。たとえば、家を買うときに『なんとなく』で決めたらどうなります? 間取りが合わない、日当たりが悪い、住んでみて違和感だらけ……そんな状況、避けたいですよね?」

 「……確かに。」

 「なのに、結婚となると、みんな焦る。条件ばかり見て“優良物件”をわれ先に急いで手に入れようとする。でも、大事なのは、その家でどんな暮らしをしたいか、ですよね?」

 奈々は息を呑んだ。これまで、結婚は『誰かを見つけること』だと思っていた。でも、そうじゃない。『自分がどう生きたいのか』を見つけることが、最初の一歩だったんだ。

 早川は軽く微笑み、「だから、まずは自分の理想の生活をしっかりイメージしましょう。それができれば、どんな相手と結ばれたいのか、自然と見えてきますよ」と言った。

 奈々は、静かに頷いた。胸の奥にあった漠然とした焦りが、すっと消えていくのを感じた。 同時に迷いが消え、心が軽くなった気がした。 

「先生、どういう人生を創り出したいのか?もう少し自分自身と真剣に向き合ってみます。」 

「いいですね。もし迷ったら、また訪ねて来てください。いつでも歓迎しますよ!」

”結婚してから”を視野に入れたカウンセリング

もし、奈々のように「本当に自分に合う結婚って何だろう?」と悩んでいるなら、一度じっくりお話ししませんか?

 焦りや不安ではなく、「納得して選ぶ婚活」を、私たちと一緒に考えていきましょう。

 リアルラブは、結婚後のパートナーシップを視野に入れた、本格的な心理カウンセリングをご提供します。

 一歩踏み出す勇気が、あなたの人生を変えるかもしれません。

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