【ブックレビュー】１１２２／渡辺ペコ

”いい夫婦”ってなんだろう？

ついに完結してしまいました…！

夫婦としての在り方を模索し続ける、

ある一組の夫婦の物語。

2016年の連載スタート時から

”夫婦って結局何なんだろう、

結婚がもたらす意味って何だろう？”

そんなことを考えながら読んできました。

以下、あらすじです。

結婚7年目の一子（いちこ）と二也（おとや）。

仲良く、一見何の問題も無いかのように見える2人だが、実はセックスレス。

結婚関係を継続するための前向きな解決方法として、2人は”公認不倫”を選択する。

しかし。

ストーリーが進むにつれ、解決どころか他の家庭も巻き込んださまざまな問題へ発展していく。果たしていちことおとやはどんな答えをだすのかー・・・？

【公式ページ】

https://morning.kodansha.co.jp/c/1122

公認不倫の行先は…

付き合いが長くなった故に起こる男女間の問題の筆頭。

セックスレス。

夫婦である以上、

パートナー以外とセックスすることは通常許されません。

ですが

パートナーにその気が無くなってしまったらどうでしょう？

両者ともにそういう欲求が無くなってしまえば

ある意味楽なのですが、

片方はそうでないからこの問題は根深い…。

『１１２２』に登場する2人もそんな問題に直面します。

「人として大好き、だけど夫を男性として見れない…。」

ある時からそんな風に思う様になった妻。

夫婦であることを継続したいと望む2人は、

夫が外で恋愛をしてくることを認めます。

この漫画はぜひ、

妻の立場と夫の立場の両方に立って

”自分だったらどうする？”と考えながら読んでみてください。

人間の３大欲求の中でも

「性欲」ってちょっと特殊だと思うんです。

眠たかったら寝ればいい。

お腹が空いたら食べればいい。

睡眠欲と食欲は1人でも満たせます。

じゃあセックスがしたくなったら…？

ひとりで楽しむ、という方法もありますが

それはセックスではありません。

個人的には

”これと婚姻制度を結びつけるから色々とややこしくなるのでは”

とも思うのですが、

やはりパートナーが浮気し放題だったらとても嫌です…。

誰と、どうやって生きていくのか？

公認不倫からはじまった本作には、

モラハラ

発達障害

親との確執

不妊治療

などなど社会の中にある様々な問題が描かれています。

漫画で夢を見ていたいタイプの方は

読まない方がいいかもしれませんが、

漫画だからこそ触れやすいものでもあります。

”誰と、どうやっていきていくのか。”

結婚という制度の前に、

そんなことを考える良いきっかけとなるのではないでしょうか。

また、作者の渡辺ペコさんは『にこたま』という作品でも

結婚に踏み切れないアラサー男女の関係を描いています。

男女間の感情のズレを描くのが本当に上手なのです。

みなさまも是非読んでみてくださいね。