婚活で60人と会った36歳女性の最後の選択は最もナシの人
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目次
- 結婚の決め手は、価値観と感覚が似ていたから
- 23歳のときに婚約破棄をした経験が
- 相手の本気度と柔軟性を見るGさんの戦術
- 「付き合う対象にはならない」と断ったのに・・・
- 家族というチームを作るために
結婚の決め手は、価値観と感覚が似ていたから
こんにちは。
婚活アドバイザーの平健次です。
今回は東京都内で会社員をしている41歳の女性Gさんが、36歳で婚活していたときのエピソードをご紹介します。
Gさんのセミロングの髪はつややかで、ややエキゾチックで整った顔立ち。白いノースリーブのワンピースとカーディガン姿は華やかで女性らしい印象を与えます。
4年前に結婚した相手は37歳のフランス人。都内のホテルで働いている彼の年収はGさんより200万円以上低く、”じゃがいもみたい”な顔をしているらしいです。
それでもGさんはご主人と価値観と感覚が似ていることを重視して結婚。家計はほぼ折半での家庭生活を楽しんでおり、現在、妊娠中だそうです。
「彼は根性があって優しい人。すごく細やかなところもあれば、まったく気にしないところもあります。他の人にも両極端な部分があることを理解しているので、変に干渉することはありません」
高校の商業科を卒業後に入った会社は適性がなくて1年半で退職したというGさん。派遣社員などを経て、バックオフィス系の仕事を一通り経験後、自分は人事採用の業務に向いていることを知り、スキルを磨いてきました。現在は中小企業で正社員として働いています。
「学生時代から恋愛にはそれほど興味がありませんでした。付き合っている時期もありましたが、4年間ぐらい彼氏がいないことがあっても平気でしたね。女友だちとご飯を食べに行ったり美術館に行ったりすることが楽しかったです」とのこと。
23歳のときに婚約破棄をした経験が
そんなGさんですが23歳のときに婚約破棄をした経験があります。4歳年上の恋人と3年付き合い、プロポーズに承諾したものの「よく考えたら無理。申し訳ないけど」と判断したそうです。
Gさん曰く、「その彼はご両親との関係が近すぎると感じたからです。私に結婚を申し込んだのもお父さんに『一人暮らしの女性と3年も付き合っているなら、男として責任を取れ』と言われたから。
私は責任を取ってもらうつもりはありませんでしたし、彼は私とではなくご両親との間で結婚話が盛り上がっている気がしてしまいました」
若気の至りといえばそれまでですが、Gさんも代償を払っています。「また同じようにプロポーズされる機会が訪れるだろう」と思って過ごしていたら、そのような機会は35歳を過ぎても一度も訪れなかったのです。
「初めて自分と向き合いました。そして、ちゃんと行動しないと結婚はできないのだと気付いたんです。同僚に『誰か紹介して』とお願いしながら、色んな友人に相談しました」
2人の友人から、同じ外資系の出会い系サイトで恋人を見つけたと聞いたそうです。全世界の人が参加でき、恋愛だけでなく語学を教え合ったりホームステイ先を探すこともできる。短期集中で「先を見据えお付き合いができる人を探そう」と思ったGさんは有料会員になってサイトをフル活用し始めました。
Gさんは、「最初は日本人のみで相手を探していました。検索条件に入れたのは30歳から49歳で関東地方に住んでいることぐらいです。私は相手の職業や年収は気にしないし、生理的に無理という人もほとんどいません。
人事採用担当の職業病なのかもしれませんが、まずは相手のいい所を探す癖がついています」とおっしゃいました。
婚活にも応用できる素晴らしい癖ですが、採用活動に慣れたGさんには別のこだわりがありました。プロフィールとメッセージのやり取りだけでは相手の本質は見極められない、ということです。
短期集中で結果を出したいので1日に最低30人には「まずは会いましょう」というメッセージを送っていたと振り返ります。飛び込み営業並みに積極的な行動ですが「何かの勧誘ではないか?」と怪しまれたのかもしれません。
「実際に会えたのは3カ月で3人ほどです。いい人ばかりでしたが、何度会っても先に進まなかったり、2回目以降は断られたり。このペースで婚活を進めても効率が悪いと思って、相手の国籍や住んでいる地域もこだわらないことにしました」とのこと。
すると、外国人や地方在住者、海外駐在員などからもメッセージが来るようになり、数カ月のうちに60人以上との面会を取り付けました。ただし、初めて会うのは週末の日中に設定することをGさんは譲りませんでした。
相手の本気度と柔軟性を見るGさんの戦術
「夜に会いたがる男性も少なくありませんでしたが、変な目的の危険性もありますし、その都度、外食していたら時間もお金も足りなくなってしまいます。週末の日中ならば1日に3人ぐらいは会えますし、お茶するだけなのでお金もあまりかかりません」
間口を広げつつ、日程は限定して相手の本気度と柔軟性を見るという戦術でした。職業や年収は気にしないとはいえ、ちゃんと働いて自活していることは大前提で、それを突破してきたのが現在のご主人でした。
当時、日本にワーキングホリデーで滞在中だったGさんのフランス人のご主人。ただし、ワーキングはせずに京都や大阪のお寺などで「霊気」を養っていたらしい、スピリチュアル好きな人なのです。
「東海道を巡礼者のように歩いて関東に行くから川崎でビールでも飲まないか、というお誘いでした。その日は予定があるけれど他の日ならいいよ、と軽く返事をしたらまた誘われたんです。都内でお昼に会ってホットドッグでビールを飲みました。血豆だらけの足と道中の写真を見せてもらってバイバイした記憶があります。すぐにフランスに帰ってしまう人なのでお付き合いする対象ではありませんでした」
他に会っていた男性たちはいずれも煮え切らない反応だったそう。ややイライラしていたGさんは気軽な息抜きがしたかったと振り返ります。自分以上に大胆かつ積極的な彼に報いたいと思ったのかもしれません。
その後、横浜に民泊で滞在し始めた彼からは「ポケモンイベントに一緒に行かないか?」などの誘いが来るようになり、4回目ぐらいに彼の部屋での食事に招かれました。彼に親しみを覚えていたGさんはやはり気軽に応じたそう。
「付き合う対象にはならない」と断ったのに・・・
Gさんはお互いに楽しかったからいい、という軽い気持ちだったそうですが、その一方で彼は本気になっていました。ワーキングホリデーの期限を迎えてフランスに帰国することが決まっていましたが「好きなんだけど」とGさんに告白。それに対する彼女の答えは明確なものだった。
「それは無理よ。私はあと1、2年ぐらいのうちには結婚したいから。あなたのことは男性として好きだけれど、付き合う対象にはならない。そもそもあなたは無職だしね。ごめん!」と。
去る者は追いたくなるのが人情。彼は「日本で仕事を見つけられたら対象になるの?」と食い下がり、現在の勤め先であるホテルの就職試験を受けました。フランスに戻る2日前のことでした。
ゴミ袋1つに洋服をまとめてGさんに預けた彼。試験の結果が合格ならばすぐに日本に帰って来るし、不合格ならば捨ててほしいという。フランス映画に出てくるようなカッコいいセリフです。
「合格したらしくて3週間後に本当に帰ってきました」淡々とした表情で笑うGさん。自由かつ自立している彼に最初から縁を感じていたのかもしれません。
彼の実家はパリにありますが、両親は離婚していて父親はすでに再婚しています。弟さんも含めて仲はいいが個人主義の家族だそう。彼は「治安の悪いパリで子育てはしたくない」と断言。
母親は英語も日本語もできないので、Gさんとはグーグル翻訳を使って軽い会話を交わしています。
家族というチームを作るために
Gさんは子どもの頃にいじめに遭ったことがあり、家族が1つのチームとなってサポートしてくれて乗り切れたそう。そのときの温かさと力強さは今でもGさんの心身を支えています。
「これから先、親が亡くなったら家族というチームのメンバーが減ることになります。それだけパワーが減ると思うんです。だから、私自身の人生でも同じようにチームを作りたいと思いました。チームのパワーは減らしちゃいけないんです」
独特の表現で家族の意義を語るGさん。20代の婚約破棄から15年ほどの歳月を要してしまいましたが、それだけ気持ちが丸くなって成熟したと実感しています。
「若いときは流れと勢いに任せてしまうくせに、他人と自分の違いを受け入れられないところがありました。自分の人生を少しはコントロールできるようになった今は、他人が自分に合わせてくれなくても問題ありません。誰かと一緒に暮らすというハードルが下がったと思います。こんな性格をしている私には遅めの結婚が向いていたのかもしれません」とのことです。
→私自身、このままではマズいと思い、焦って婚活を始めました。偶然、同級生と再会して結婚しましたが、これも巡り合わせだったのだろうと感じています。当時の婚活イベント担当の方にも「それは宿命ですね」と言われました。その時は、「口が巧いな」と思ったのですが、後にその通りだと感じるようになったのは事実です。
出会いはどこにあるか分かりません。現時点で結婚を考えている方はもちろん、まだ先のことと考えていてもGさんのように長期間出会いに恵まれないことも起こり得ます。普段からアンテナを張っておくことが大切です。
また、確実で真剣な出会いを求めている方は、相談所で活動を始められることも視野に入れてみてはいかがでしょう。
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