男性仲人が見た「あいの里2」13-16話の感想

「あいの里2」13-16話がNetflixで配信

11/5からNetflixで配信されている「あいの里 シーズン2」。30-50代の男女がひとつ屋根の下で自給自足の共同生活をしながら、人生の後半を共に歩むパートナーを見つける、一風変わった恋愛リアリティー番組です。今回は11/19に配信された13-16話の感想になります。

前回までの記事

▼男性仲人が見た「あいの里2」1-4話の感想

https://www.ibjapan.com/area/osaka/56753/blog/128843/

▼男性仲人が見た「あいの里2」5-8話の感想

https://www.ibjapan.com/area/osaka/56753/blog/128926/

▼男性仲人が見た「あいの里2」9-12話の感想

https://www.ibjapan.com/area/osaka/56753/blog/129012/

12話終了時点でのメンバーは、以下の男性4人、女性5人の計9人。

せん姉(女性 食育トレーナー 57歳)

ギタりん(男性 音楽教室の先生 52歳)

タナさん(男性 商社経営 52歳)

パチゆみ(女性 スポーツジム経営 51歳)

隊長(男性 元レスキューパイロット 48歳)

たみフル(女性 漫画家 45歳)

ニノ(女性 モデル・WEBライター 42歳)

マキオ(男性 建築リフォーム営業 39歳)

あやかん(女性 秘書 35歳)

*メンバーのプロフィールについては、オリコンニュースの記事を参照

https://www.oricon.co.jp/news/2352424/full/

前回の最後に「あいの鐘」を鳴らした建築リフォーム営業のマキオ。指名したのは漫画家の たみフル。かわいがっていたマイクロヤギのサトちゃんが亡くなって落ち込んでいた たみフル、今どういう気持ちの状態なのか、そしてナイスガイながらも危うい部分もあるマキオの気持ちをどう受けとめるのか、告白の行方を住民と共に視聴者も固唾をのんで見守ります。

*お断り

・以下、ネタバレ含みます。

・あくまで個人的な主観に基づく感想です。出演者の方を貶める意図は一切ありません。

「あいの里2」13-16話のあらすじ

【エピソード13 ムキ出しナイト】

前回の最後に「あいの鐘」を鳴らし、たみフルを連れ出したマキオ。幸せを運ぶといわれているガジュマルの木の下で、「想いを曲で伝えたい」と言い出す。えっ…曲？しかもその曲が完成せず笑、詩だけを送りたいとノートに書き綴った修正跡だらけの詩を読む。グダグダな告白に思わず吹き出すたみフル。お調子者のマキオらしい告白でしたね。最後に「たみフルだけの愛の戦士になりたい」と伝えてみんなが夕食を作って待つ宿舎に戻ります。夜、「不安は正直ある」とひとり思い悩むたみフル。

翌朝、「たみフルが好きだよ」と前日のグダグダな告白とはうってかわってストレートに伝えるマキオ。「マキオは私のピンチをたくさん救ってくれた。私もマキオのピンチを救える人になりたい。マキオが好きだから一緒に帰ろう」と答えるたみフル。今シーズン2組目のカップル誕生です。結果の読めない告白でしたが、マキオの明るくポジティブな性格が、最後にはたみフルを「困難は楽しく乗り越えることができる。未来は明るい。きっと大丈夫」という気持ちにさせることができましたね。

想いを寄せていたマキオがあいの里を去り、失意のニノは隊長との水やりを再開。7人となったあいの里に新メンバー、エステティシャンの「アロマ」が訪れる。少し影のある一見大人しそうな男性ですが、初日の歓迎会で「恋愛しに来てないなら帰ったほうがいい」と毒を吐く。そんなアロマの挑発に触発された初期メンバー、パチゆみはタナさんへの想いをみんなの前で伝え、隊長はニノをその場で水やりに誘い出す。それを見せつけられたあやかんはタナさんを誘い出して隊長への想いを相談。若手の恋愛に恐らく1ミリも興味ないであろうタナさんは困惑する。そんなあやかんの視界に二人で星を見上げる隊長とニノが…さめざめと泣き出してしまうあやかん。そしていつも通り「残り物」になってしまった50代女性の二人…

【エピソード14 ぜんざい】

「ムキ出しナイト」の翌日。パチゆみを誘い出してキャッチボールするタナさん。「傷モノには傷モノの距離感がある」と語るタナさん。昨夜のあやかんとの時間と比べて随分とリラックスした雰囲気です。

隊長は前日に続きニノを呼び出し。マイクロヤギのサトちゃんが亡くなった日、皆と距離を置いて一人でいた理由を話す。隊長は過去に3歳下の妹を亡くしており、多くの命を救いたいとレスキュー隊員になったが、現実には命を助けられない虚しさを感じることが多く、死に直面した際に感情を閉ざすようになってしまったそう。自分だけに内面を見せてくれたことでニノの気持ちが動き出す。その後の皿洗いでもまるで新婚カップルのような空気感でした。

タナさん、長男とリモート会話。タナさんと同じ神戸大学を受験していたが残念ながら不合格との事。板間でパチゆみと寝転がりなら子育てについて語り合う。一方、隊長とニノは芝生でデート。距離を詰めるペースを上げています。「生まれ変わったら木になりたい。でも人が好きだから自分の下で待ち合わせして欲しい」と語るニノ。素敵な言葉ですね。

今の状況を「負け戦」と語るあやかん。せん姉とパチゆみがフォローして、隊長の好きなぜんざいを作る。勇気を出して隊長を誘いにいくあやかん。自分に気が無いと分かってる異性にアプローチするのって勇気いりますよね。具の無いサンドイッチと違って普通に美味しそうなぜんざい、隊長もおいしいと食べてくれます。「ありがとう」と頭ポンポンしてもらえて笑顔になるあやかん。しかし…

翌日、料理の準備中にしれっと抜け出す隊長、そして響き渡る「あいの鐘」。

「ニノさん。ちょいとそこまで」とニノを連れ出す隊長。その傍らで、マヨネーズを握りしめて「好きになるって、しんどい」と崩れ落ちそうなあやかん。さすがに可哀想すぎて見ていられないシーンでした。

【エピソード15 敬礼】

草原のベンチに座る隊長とニノ。ニノがかつて語った「私といると何気ない日々が楽しくなるよ」という言葉に惹かれたという隊長、「おれはニノが好きです。明日一緒に里を出てほしい」と伝える。ニノは仕事人間の隊長に対して「あいの里を出て現実に戻っても変わらず好きでいてくれるか」という不安をぶつけるが、ふんわりとした隊長の回答に不安をぬぐいきれていない様子。

翌朝、最後の水やりをした後、ニノと向かい合う隊長。「”あいの里”というセレクトショップでニノという本に出会えた」と似つかわしくない回りくどい言い回しで気持ちを伝える隊長に対して「これまで隊長の他に気になる人がいたし迷っていたけど、隊長との未来を考えるのも楽しいと思えた。一緒に帰りたいなって思います」とニノ。浮かれてハグしようとする隊長を「ちょっと待ってね」と制止する。え？まだどんでん返しがあるの？と思ったけど結局はOK。シーズン2で3組目のカップルが誕生しました。最後は敬礼で皆とお別れ。

失恋したあやかんを、ギタりんが屋根の上に誘って慰める。笑顔の戻るあやかん。さりげなくボディタッチをしようとするギタりんを「近いんですけど」をけん制する笑。この二人は恋愛とはまた違うかもですが、良い関係ですよね。

6人となった住人、アロマの提案で書道。せん姉はアロマに魅力を感じている。ここにきてようやく最年長が動き出します。

ハイビスカスの水やりを引き継いだのはタナさんとパチゆみ。パチゆみが藤田ニコルさんの母親であることを語る。パチゆみはかつてバックパッカーで、イスラエルのパートナーとの間に子供を設ける。それがにこるん。しかし破局して帰国し、日本人と結婚して子供も設けるがその男性とも離婚し、経済的にも苦しい時期があったとの事。「子育ての正解は結局死ぬまで分からない」というパチゆみに共感するタナさん。子供のいる50代同士とあってペースは遅いものの、ゴールに向かって着実に歩みを進めている印象です。

【エピソード16 大人の説教】

新住民はヨガインストラクターの35歳「みぽ」。小柄でかわいらしい女性です。めっちゃええやん…こういう子をスタートから出さんかい何出し惜しみしてんねん、と思ってしまいました。その みぽ を早速ツーショットに誘うアロマ。みぽは意外にも結婚歴があり「籍は入れたいけど子供は相手次第」「結婚相手にドキドキやユーモアは求めない」と冷静な意見。アロマはファイナンシャルプランナー・相続アドバイザーでもあるそうでアドバイスをする…胡散臭いなこの男(笑)

そのみぽ主催のヨガ教室。せん姉の良く分からない体操と違って本格的です。なんか美容系のキャラが揃ってきましたね。

隊長のことをまだ吹っ切れていないあやかんに寄り添うギタりん。「ギタりんがいることで救われている」とあやかんは感謝を伝えます。

アロマを誘うせん姉。手をつないで良い雰囲気…と思いましたが、いったいどこでアロマのスイッチが入ったのか「あなたは50日誰からも選ばれなかった人。今すぐ帰ったほうがいい。周りに迷惑だから」と見ているこっちが引くくらいのトーンでせん姉に説教を始める。しかしせん姉は「ときめきます。キュンと」と逆にスイッチが入る…そんな事ある？

33歳のとき、子供を妊娠したせん姉。相手との結婚を親に反対され、駆け落ち同然で家を出る。しかし相手が実際は離婚しておらず、シングルマザーとなり実家に戻る。しかしその後両親が続けて介護が必要になり、子育てと介護に追われ、10年間テレビも映画も観たことがないそう。だからファッションセンスがずれているのかな？

夕陽を見て、一人たたずむ みぽ。「りゅうちゃんはどう思うかな」と日記に綴る。”りゅうちゃん”とは？今のところ謎の多いキャラです。

順調だったタナさんとパチゆみ。しかし、あいの里で貴重なチーズを一口で食べたタナさんにパチゆみは「貯金してないな」「浮気ぐせがあるんじゃないか」と幻滅してしまう。全く意味不明の言いがかりですが、さすがにこの”チーズ事件”は建て前で、タナさんへの想いを諦めないといけない何らかの事情があったのでしょう。

あやかんと楽しく作業するギタりん、「マックスであやかんにほれてます」。MCのベッキーが思わず「うわっ」という声を出してしまいます笑。ちぃ・ニノと二度の失恋を経たギタりん、この3度目の恋は叶うのでしょうか？

40代女性が想定しておく「譲歩ライン」

マキオとたみフル、そして隊長とニノ。今回で2組のカップルが誕生してめでたく「あいの里」を卒業しました。

この二人に共通しているのは、どちらも男性からの告白であることと、女性が40代であること。

あきぽんと初カップルとなった ちぃ もそうでしたが、たみフルもニノも相手の男性が100点満点のベストだと思っていないことは明らかです。たみフルはマキオの学歴や収入の不安定さへの不安を解消できませんでしたし、ニノはマキオに失恋したばかりのところを隊長に半ば強引に押し切られた形でした。もし彼女たちが10歳若く他に選択肢がある状況では、今回の相手を恐らく選ばなかったでしょう。ただそれでも彼女たちは「この相手となら不安要素を解消できる」とポジティブに信じて男性からの告白を受けました。

婚活では加齢と共に選べる相手の母数は減少するのに反して、相手に対する希望はより細かくなることは往々にしてあり、特にそれは女性で顕著です。ですが、たみフルやニノレベルの美人でも、40代でカップルとなるためにはここまで相手に歩み寄っている、という事実は認識しておく必要があると思います。それは決して「条件面で妥協してください」ということではなく「条件面でのギャップを埋める作業を女性側からも積極的に行いましょう」という意味です。

謎の新住人「アロマ」の正体

マキオと入れ替わりで入ってきた新住人の「アロマ」。大人しそうな第一印象とは裏腹に、初日から他の住民に対して「恋愛する気がないなら帰ったほうがいい」と敵対心をむき出しにします。

ただ、まともな大人が新入りの立場でそんな暴言を吐くことは普通あり得ません。ですから私はこの人は恐らく、運営側からメッセージを仕込まれた「テコ入れ演出要員」なのではないかと考えています。

私シーズン1未視聴なので前回のメンバー入れ替わりのペースがどのようなものであったのか知らないのですが、確かに初期メンバーの滞留度が高く、見ていてマンネリ感を感じるところもありました。アロマ参加時点でタナさんとの距離を縮めていたパチゆみはともかく、せん姉・ギタりん・あやかん辺りはここから「どうにかなる」要素が正直なところ見当たらない状況でしたからね。

実際、アロマが尻を叩いたことによって初期メンバーの「手仕舞い」に向けた動きが目に見えて活発になりました。せん姉がアロマに無理めのアプローチを始めたのも、パチゆみが「チーズを一口で食べた」とかいうこじつけでタナさんを諦めたのも、そしてギタりんが今になってあやかんに矢印を向けたのも、アロマの背後にいる運営側の「お前らそろそろ席空けろよ」という圧を察したからではないかと思います。

苦戦するあやかんの原因

今回の参加メンバーの中では35歳とダントツに若く、ルックスも決して悪くないあやかん ですが、この16話まで誰からも選ばれず、想いを寄せていた隊長も途中参加のニノとカップルになって里を去ってしまうという苦しい展開が続いています。

ちぃ・たみフル・ニノと40代女性が幸せを掴んで卒業していく中、条件面で恵まれているはずのあやかんが苦戦している理由としては、やはり彼女に情緒不安定な面があること、そしてギブアンドテイクの「ギブ」の部分がなく、テイカー一辺倒になってしまっているところでしょう（私が指摘するまでもなく、SNSでも多くの人に言われていることですが）。男性からすると、彼女と一緒になった時のことを考えたときに「楽しそう」よりも「大変そう」のほうが先に来てしまうんですよね。隊長との失恋の原因を「ニノが私よりスタイルよくて美人だったから負けた」と分析していましたが、本当の問題がそこではないことに彼女が気づかない限りは、これからも苦戦するのではないかなと思います。

そんなあやかんですが、初期メンバーで同様にこれまで苦しい思いをしてきたギタりんと、友情から恋に発展しそうな雰囲気を見せています。この二人がくっついてくれればこの「あいの里シーズン2」の完璧なハッピーエンドになるのですが、果たして？残すところあと4話です。