ブライダルPunono(プノノ)

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幸せな結婚の掴み方

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ブライダルPunono(プノノ)「幸せな結婚の掴み方」-1

目次

  • プロローグ
  • ダメ男ホイホイ女子の場合
  • エピローグ

プロローグ

保育士のアキコが好きになるのは、いつもダメ男。

もちろん、好んでダメ男を選んでいるつもりはない。

しかし、気がつけばダメ男ばかり寄ってきて、そして、いつの間にか惹かれてしまっている。

いわゆる「ダメ男ホイホイ女子」。おそらく本人は気づいてないけれど・・・。

 

アキコは職業柄、面倒見が良くやさしい。おまけに目鼻立ちの整った美人だ。

子供たちのお世話をする職場では、ジーンズ&Tシャツにエプロン、靴はスニーカーという、動きやすさ優先のスタイルが服装の定番。

その反動か、友達と会う時や合コンなどでは、露出が多く、ボディラインの出るようなセクシー系の服装を好んで着ていた。

保育士という職業に加え、明るく元気でノリもいいからぶっちゃけモテた。

アキコ自身、それは感じていたこと。

だから、結婚なんていつでもできると思っていた。

ところが…。

ダメ男ホイホイ女子の場合

合コンや紹介で知り合った男性と意気投合し、付き合い始めると、

次第にダメ男っぷりが現れてくる。

余裕がないのに趣味の時計やバイクを購入し、デート代をアキコに出させたコージ。

ギャンブルにハマっていつも「お金貸して」と言ってきたアキラ。

一番ひどかったのは、束縛心・嫉妬心が強く、アキコが少しでも遅く帰ると、

「今まで誰といたんだ!」と怒鳴り暴力を振るったDV男のタクヤ。

 

3人とも最悪だけれど、「大好きだよ」「俺にはアキコしかいない」なんてやさしい言葉をかけられると、母性本能が強いアキコは、

「彼には私しかいない!」「私が守らないと!」という気持ちが働いて、甲斐甲斐しく世話を焼いてしまう。

その挙句、結局、傷ついて別れることの繰り返し。

 結婚を考えていなかった20代の頃は、それでもよかった。

けれど、30代に入り、周りの友人が結婚するのを見ていると焦りが出てきた。

「私このままでいいのだろうか?」

「いいわけないじゃん!あんた、そろそろまともな彼氏見つけないとヤバいよ!」

そう心配半分、呆れ半分で言うのは、高校の時からの友人・マユミ。

銀行員のマユミは、職場恋愛ののち20代後半でその相手と結婚している。

職業のイメージどおり堅実だ。

 

だからこそ、余計にアキコのことを心配し歯痒くも思っていた。

「あんたに恋愛結婚はムリ!いっそお見合いとかしてみたら?」

マユミからの想定外のことばに、アキコはドキッとした。

 お見合いなんて、まったく考えたことなかったけれど、

今までの恋愛遍歴を考えると、マユミの言う通り、恋愛結婚は難しそう。

お見合い結婚の方が現実的だと思い、結婚相談所に入会してみた。

 結婚相談所では、家庭的なイメージのある保育士という職業と整ったルックスで、アキコが品定めできるほどデートの申し込みはあった。

張り切ってデートに出かけるも、数回のデートで断られてばかり。

仮交際までいった男性もいたけど、結局長続きすることはなかった。

理由の多くは「プロフィールでは家庭的と思ったけれど、実際に会うとなんか違う」。

アキコは、お見合いデート時に、お相手の職業やTPOなど気にせず、自分の好きな露出の多い服装で挑んでいたのだ。

 

しかも、アキコ自身も結婚相手を探しているのに、何度か会ううちに、「私のことを好きになってくれて、大切にしてくれるなら結婚してあげてもいい」

という上から目線になり、男性は興醒め。

アキコを頼って甘えてくるダメ男とばかり付き合っていたせいか、結婚を前提とした紳士的に振る舞う男性に対する接し方がわからなくなっていたのだ。

 「相手の紳士的な対応や気遣いにどうしたらいいかわからない…」

アキコは結婚相談所でのカウンセリングで担当の婚活アドバイザーに泣きついた。

「まずは服装。自分の好みは一旦置いて、相手の好みを考えましょう。逆に男性がお見合いデート時に、短パンにアロハシャツとかで現れたら普通にドン引きしますよね?相手も同じですよ」

婚活アドバイザーの言葉に納得。

 「気持ちも相手の立場になって考えて。“自分のことを好きになって”より、

まず先に相手のことを知ること、好きになることからはじめてみましょう」

婚活アドバイザーが放った、そんな当たり前のことを忘れていた自分に愕然としたと同時に、婚活への向き合い方も考え直してみた。

 

アキコは今まで受け身で、デートの申し込みのあった男性を選んでいたが、

アドバイスを受け「この男性と会ってみたい」という相手を自分から探して、デートを申し込んでみた。

デート時の洋服も、清楚でフェミニンなワンピースなど、男性が友人や家族に紹介しても恥ずかしくないようなタイプを選んでみた。

 

結婚相談所に入会し約1年。

「自分が結婚したい相手」「自分も相手も幸せになれる結婚」をめざし、じっくり見極めた中で、懐の広いひと回り年上の男性シンジと出会った。

 

大学の教務課に勤務するシンジは、穏やかで一見頼りなく見えるタイプ。

しかし、くだらない話でもちゃんと聞いてくれたり、

一緒に悩んでくれたり、一緒に喜んでくれたり、静かに寄り添ってくれるシンジに対し、アキコは今までにない心地よさを覚えた。

「この人と一緒にいたい。この人と幸せになりたい」

はじめてそう思えた相手だった。

 

気持ちが固まってからは早かった。

アキコ同様にシンジの気持ちも同じだった。

シンジも自分に素直に甘えてきてくれたり、時には甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるアキコと、一緒にいる時間が心地よかったのだ。

 

「僕と結婚してくれませんか?」

真剣交際から3カ月目のプロポーズ。

言葉はシンプルだが、それが逆にシンジらしいなと、アキコは思った。

エピローグ

今、アキコは大好きなシンジと共に、幸せな結婚生活を送っている。

ダメ男に振り回されていた「ダメ男ホイホイ女子」だったのは昔のこと。

自分の意識を少し変えることで、今まで見えていた景色とは違う景色が見えてくる。

恋愛や結婚に対する思いも、自分基準じゃなく、

相手のことを考えるだけで、世界が広がってくる。

 

「今日の晩御飯はシンジさんの好きな豚肉の生姜焼きにしよう」

ひとりの時はなんでもよかった食事だって、

一緒に食べる人がいる、食べる人のことを考えてメニューを考えることにさえ

幸せを感じられるのが嬉しい。

 「やっぱり、アキコにはお見合い結婚が合ってたでしょ!」

マユミはアキコの結婚を、自分の手柄のように得意げに言い放った。

まあ、確かにお見合い結婚を勧めてくれたマユミには感謝している。

 マユミの助言がなければ、結婚相談所に入会してなかったと思うし、

20代の頃と同じように、ダメ男に振り回されていたかもと考えるだけでもゾッとする。

「恋は盲目」でいいけれど、結婚となるとそうはいかない。

結婚相談所の婚活アドバイザーの第三者目線のおかげでいろいろ気付かされた。

足を向けては寝れないな…。

結婚が決まってから、アキコはシンジと会う時の服装を、清楚なワンピースから、ボディラインの出るワンピース、そしてオフショルダーのトップスと、少しずつ自分の好きなセクシー系にシフトしてみた。

「アキコさん、最近、洋服の趣味変わったよね?」

(きたー。あー、やっぱりやめておけばよかったかなー。)

「フェミニン系のワンピースもかわいいけど、最近着ている、肩が出たりしてる洋服、

そういうのも似合うね。すごくいいと思う」

(ウソ?ホントに?)

嬉しくなったアキコは、思わずシンジの腕を引き寄せた。
※この物語はフィクションです。

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