「結婚相談所、いかがでしょうか?」
- カウンセラーの日常
秋の日に椿山荘にて
秋らしい穏やかな日。
親族の祝い事のため、20年ぶりに椿山荘に出向いた。
年々、婚姻数は減っているとはここではどこ吹く風。
ラウンジは着飾った若い男女の招待客でごった返し、花嫁花婿同士の鉢合わせを目にすることもしばしば。
それでも、『人生最高の日』の花嫁さんの姿はみんな綺麗だったな。。
移動でエスカレーターに乗ったときのこと。
目の前にいた、新郎の友人らしき男性2人の会話が耳に入ってきた。
「だからアイツは結婚できたんだろうなぁ。」
それまで彼らが何を話していたかはわからない。
結婚式のスタイルは、以前に比べて種類も数もずいぶん増え、イマドキの結婚式もある。結婚式のスタイルは変わってきても
「だからアイツは結婚できたんだろうな」
という台詞は、普遍的な友人の言葉なのだと思った。
その男性2人は会話からして、おそらく未婚?
「もしもし。それならば結婚相談所はいかがでしょうか?」
もし私がいきなり2人に話しかけたらどんな顔するのだろう。
クロークは荷物を預けようと新婦の友人達で女性ばかりの長蛇の列。
花嫁とは違わぬ位に、髪をセットして綺麗に着飾っている。
彼女たちはどのような気持ちで、今日、新婦を祝うのだろう。
盛大な祝福の中にも、ほんの少しの小さな嫉みはあるかもしれない。
それでも人の心だから、そこが良いのだと私は思う。
だから、婚活する人に言いたい。
「もしもし、結婚相談所はいかがですか?」
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