(小説)婚活男子の憂鬱
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あいつが死んだときのための男
この先で敵が待ち伏せしているのが分かった。物心がついたころから、仲間に危険が迫っている時だけ私はそれを感じることができた。
「このまま進めばこの部隊は全滅する。」
強い確信があった。迂回すべきだ。しかし、そんなことを隊長に進言すれば、怖気づいたと思われ重い処罰を受けることになるかもしれない。それでも、進言しなければこの隊は全滅してしまう。もちろん自分も殺されるに違いない。
雨が強まってきた。視界が更に悪くなる。遠い異国で重い銃を担いで丸一日歩き通すのは体にも心にも応える。だんだん意識も遠くなってきた。いっそ自分はこの場で切り捨てられても仲間を救った方が良いのだが、切り出す勇気が出ない。
「隊長、この先に敵が潜伏しています。迂回しましょう。」
誰かが隊長にそう進言するのが聞こえた。シンジだ。この隊の英雄。勇猛果敢で皆の信頼の厚い男が、どういうわけか私が言いたかった進言を隊長にした。何やら隊長と話し込んでいる。この先に敵が潜んでいると考える根拠を説明しているようだ。私には理由までは分からない。私にできるのはただ、そうだと強く感じることだけだ。
隊は迂回することになった。私はシンジを凝視した。シンジが私に気付き微笑みかける。シンジには私も敵に気付いているのが分かっていたようだ。なんと整った顔だろうか。その顔に微笑みかけられると、仮に命を狙われても差し出してしまいそうだ。完璧な男だ。全ての才能を持って生まれてきた男。
「そうか。私はこの男が死んでここにたどり着かなった時のために、この世に生まれてきたという訳か。」
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